それはデッサンのアクティビティの最中でした。
窓から差し込む陽だまりも暖かく、皆、黙々と線を重ねて、静かで豊かな時間を過ごしていたんです。そこに突然、アレがやってきたんです。
全身が青く、むくんだような大男、手には金棒のようなものが握られていました。
額から生えた一本の角に気付くまでもなく、それが「鬼」であることは一目瞭然でした。
この寒空の中、その鬼は私たちに追い立てられる、そのためにはるばる半裸でやってきたのです。
そうかんがえると一見怖い顔ですが、健気なものです。
私達は配られた豆をぶっつけて、ありがたく追い払いました。
「鬼は外!鬼は外!疫病退散!」
逃げてゆくその青鬼の背中がどことなく嬉しそうに見えたのは気のせいでしょうか。
どうか、皆さんがお元気でありますように。
福は内!福は内!